安美子展「惺惺・寂寂」

安美子展「惺惺・寂寂」

 この度、マサヨシ・スズキ・ギャラリーでは安美子(AN Jeong-Hyun)展を開催いたします。
 安美子は1962年韓国京畿道に生まれ、1988年韓国ソウルの弘益大学校 美術大学 西洋画学科を卒業。その後ソウルを中心に作家活動を続けていました。 2001年3月来日し、2004年東京女子美術大学大学院に入学。2009年同大学大学院 美術研究科 美術専攻 博士後期課程(造形表現領域)を修了し、現在は神奈川県に滞在して作家活動を続けています。
 安美子のつくりだす作品は主に文字(漢字)をモチーフとしており、彼女が扱っているメディウムとは、墨汁と未処理の生綿布であることが特徴として挙げられます。
 画面展開においてモチーフである文字(漢字)は、楷書体または篆書体から構成されるものだといわれている。選ばれる文字のモチーフは自らの内面と呼応しつつ、その造形性に心惹かれる文字になっています。 支持体になっている生綿布に墨汁は付きにくく、メディウムから起因する制作手法は、長時間の制作プロセスを要するものと予想されます。
 人類の偉大な文化遺産である文字(漢字)をモチーフとし、東洋の思想や美学を踏まえつつ、芸術と表現行為の根底にあるものを見極めようとする作家の仕事を是非この機会にご高覧下さいませ。
 また、3月6日(土)18日時からは作家を招待してのオープニングパーティをささやかながら開催いたします。どなた様でも参加していただけますので是非お越し下さいませ。

2010年2月 鈴木正義